【臨床工学技士×診療放射線技師】 EVARでのチームワーク! ~腹部大動脈瘤について~
2024.01.30
今回は臨床工学技士と診療放射線技師が共同でコラムを担当いたします。
私達、臨床工学技士と診療放射線技師が日々のカテーテル治療において、医師、看護師と連携して行う治療のひとつに腹部大動脈瘤ステントグラフト内挿術(通称:EVAR)というものがあります。
EVARとは?
EVARとは腹部大動脈瘤(通称:AAA)に対する低侵襲な治療法の一つであり、ステントグラフトと呼ばれる金属製のチューブ(バネ状の金網=ステントに防水性シートグラフトを巻き付けたもの)を、腹部大動脈瘤の拡張した部分に挿入し、動脈瘤の破裂を予防することを目的としています。
このステントグラフトは、カテーテルから血管内に留置されることで瘤内の圧力を軽減し、破裂の危険性を低減する効果があります。
従来の開腹手術に比べ、患者さんに対する負担を軽減することができる治療法です。
👆 EVAR治療の前後の画像。ステントグラフトが血管内に挿入され、今にも破裂しそうな大動脈の膨らみが改善されました。
治療の計画
手術前に実施される検査の一環として、医師からの指示に基づき、診療放射線技師が造影剤を用いたCT検査を行います。
取得したデータは、専用の解析ソフトを使用して身体の状態や血管形態の評価が行われます。
その後、臨床工学技士に検査データを共有し、手術時に必要な物品の準備や医師の手技を円滑に進めるための計画を立てます。
そして治療に携わる医師、看護師、臨床工学技士、診療放射線技師がカンファレンスを行い、手術計画を確認し、より安全かつ正確で、より短時間で手術を終了できるように努めています。
このように当院では手術に至るまでの検査・診断・治療計画において、臨床工学技士と診療放射線技師をはじめ、医師、看護師と共に連携し、チームとして治療に取り組んでいます。
[写真] ㊧ 診療放射線技師 |㊥ 心臓血管外科 小暮部長|㊨ 臨床工学技士
「僕たちのチームワークはバッチリです!」