医療法人 永井病院

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コラム

最新の外科手術用内視鏡システムについて

2024.01.09

昨年末に発売された最新の外科手術用内視鏡システム「VISERA ELITEⅢ」(オリンパス社製)が、2023年3月より、地域でいち早く当院にて導入されました。

本製品は、内視鏡を用いてがんなどの病変部摘出や、ヘルニア根治等を目的に、腹部や胸部などに開けた数カ所の穴から外科手術用内視鏡と専用器具を挿入して行う手術(内視鏡外科手術)に使用する機器となります。

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内視鏡外科手術とは?

内視鏡外科手術は、患者様の身体への負担が少なく回復が早いなどのメリットから、日本では1990年代から急激に増加してきました。現在、消化器外科をはじめとする診療科など、幅広い医療現場で行われている手術となります。

数ある外科手術用内視鏡システムのうち、VISERA ELITE Ⅲは低侵襲技術を用いて複雑な手術を可能とするために開発された手術機器です。

内視鏡外科手術の対象となる患部を高精細に確認できる4K映像に加えて、3D立体視、がんなどの病変部や血管の位置を蛍光薬剤と近赤外光で分かりやすく把握できるIR観察*1、NBI(狭帯域光観察)*2などの多種多様な機能を持ち合わせ、より安全に複雑で高度な手術を可能にするだけでなく、患者様にとってより安全で負担の少ない手術を実現する機器となります。

*1 インドシアニングリーン (ICG) という蛍光剤を投与して、近赤外光 (Infra-Red:700-780nmの波長の光)を当てることにより発生する蛍光を観察するための特殊光観察機能
*2 狭帯域光観察(Narrow Band Imaging=NBI)。粘膜表面の微細な血管やその模様を観察しやすくするために、血液中のヘモグロビンに吸収されやすい2つの狭帯域の光を照射することで、組織が強調表示される観察方法。

今年3月に導入から現在に至るまで、約50件の手術にてVISERA ELITEⅢを用いて治療を行っており、外科医からも視認性が高く、血流の確認も出来るため安全に手術が出来ると評価をいただいております。